介護が「楽しい」と思た原点

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介護の仕事と聞くと、「大変そう」「きつそう」「余裕がなさそう」
そんなイメージを持つ人は、今も少なくないと思います。

正直に言うと、私も最初から「介護の仕事が楽しい」「この仕事を続けたい」
と思っていたわけではありません。

33歳で離婚し、生活のために働く必要があった私が、
たまたま働き始めたのが、定員10人の小さなデイサービスでした。

そこで出会ったのは、想像していた「介護現場」とは少し違う、
人のあたたかさがぎゅっと詰まった空間でした。

利用者さんとの距離、職員同士の関係、そして、何もわからなかった若い私を
「育ててもらっている」と感じられた日々。

この記事では、私が「介護って、こんなに楽しいんだ」と感じるようになった原点、
小規模デイサービスでの経験について綴っていきます。

定員10人だからこそ生まれる、独特の空気感

定員10人の小さなデイサービスは、全体的に明るく、どこか活気のある空気が流れていました。

スタッフはよく声を出し、利用者さんとの会話も自然と増えます。
人数が少ない分、誰かが話し始めると、その話題が場全体に広がっていく。
そんな一体感がありました。

利用者さん同士の距離も近く、同じテーブルを囲みながら、お互いの話に耳を傾けたり、笑ったり。

私はまだ若く、介護の現場経験もほとんどありませんでしたが、
おじいちゃんやおばあちゃんに甘えるように、
「これはどうしたらいいの?」「昔はどうだったんですか?」
と、いろいろなことを教えてもらっていました。

人数が少ないからこそ、一人ひとりの存在が埋もれず、関わりが自然に生まれる。
この距離感が、私にとってとても居心地のいいものでした。

利用者さんとの距離が、自然と近くなった理由

名前・性格・生活歴が、いつの間にか頭に入っていた

定員が少ないこともあり、利用者さん一人ひとりの顔や名前は、
意識しなくてもすぐに覚えられました。

どんな話が好きで、どんな冗談を言う人なのか。
昔どんな仕事をしていたのか、家ではどんな暮らしをしていたのか。

何かを「覚えよう」としていたわけではなく、毎日一緒に過ごしているうちに、
自然と頭に入ってきた、という感覚です。

「ケアする側/される側」になりすぎなかった

このデイサービスでは、「介護する人」「介護される人」という
はっきりした線引きを、あまり感じませんでした。

もちろん、支援が必要な場面はあります。
でもそれ以上に、一緒に手芸をしたりトランプをしたり、会話を楽しんだりする時間が多かった。

だからこそ、立場を強く意識することなく、同じ空間にいる人として関われていたのだと思います。

役割より、人としての関わりが先にあった

「介護職としてどう動くか」よりも、「この人とどう過ごすか」。
当時の私は、そんな感覚で毎日を過ごしていました。

利用者さんも、私を「職員」としてというより、一人の人として見てくれていたように感じます。

その関係性があったからこそ、無理に距離を縮めなくても、自然と心の距離が近くなっていった。

今振り返ると、この経験が、私の中の「介護観」の原点になっています。

職員同士の関係が、仕事のしやすさをつくっていた

このデイサービスの職員は、私以外はほとんどが年上の方ばかりでした。

最初は少し緊張もありましたが、結果的にはそれが、大きな安心感につながっていたと思います。
分からないことがあっても、聞けば必ず誰かが答えてくれるし、
子育てのことも相談できる先輩ママさんたちでもありました。

何よりも利用者さんに対して、横柄な態度を取る職員は一人もいませんでした。
それはルールで縛られていたからではなく、
そうするのが当たり前という雰囲気があったからだと思います。

何か注意されるときも、「それは違う」ではなく、
「こうした方が楽だよ」「次はこうしてみようか」という伝え方でした。

責められることがないから、失敗を隠す必要もない。
そのことが、現場全体の仕事のしやすさにつながっていたように感じます。

若かった私が、現場で育ててもらった感覚

当時の私は、介護の技術や知識はほとんどありませんでした。

でも今思うと、技術以上に大切なものを、この現場で学ばせてもらった気がします。

それは、利用者さんへの向き合い方や、声のかけ方、その場の空気を感じ取る姿勢でした。

失敗しても、「大丈夫」「次に活かせばいい」と受け止めてもらえる。
その経験があったからこそ、現場に立つことが怖くならなかったのだと思います。

「ここにいていい」そう感じられたことは、
若かった私にとって、とても大きな支えでした。

介護が「仕事」以上のものに変わった瞬間

この仕事を始めた理由は、生活のためでした。

子どもを育てていくために、働かなければならなかった。
最初はそれだけだったと思います。

でも、毎日笑って過ごす時間や、利用者さんとの関わりの中で、
少しずつ気持ちが変わっていきました。

「今日は楽しかった」「明日もここに来たい」
そう思える仕事に出会えたことが、いつの間にか、
自分の中で大きな意味を持つようになっていました。

このデイサービスでの経験は、その後の私の選択の軸になっています。
直接関わることの大切さ、人と人として向き合う介護。
その原点が、ここにありました。


この小さなデイサービスで過ごした時間は、
私の中で「介護とは何か」を形づくる、大切な原点になりました。

利用者さんと笑い合い、職員に支えられ、
仕事というより「一緒に過ごす時間」を重ねていく中で、
介護の仕事に対する印象が、少しずつ変わっていったのです。

この頃はまだ、資格を取ろうとも、長く続けようとも、はっきり決めていたわけではありません。

ただ、「この場所で、もう少し頑張ってみたい」
そんな気持ちが、心の奥に芽生え始めていました。

やがてその思いは、介護福祉士という次の目標へとつながっていきます。
次の記事では、パートから正社員へと進んでいった頃のことを、
振り返って書いていこうと思います。

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