居宅ケアマネ10年。現場を離れて見えたもの、迷い続けたもの

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居宅ケアマネとして働いた10年間は、介護保険制度を深く学び、
生活を支えるという役割を実感した時間でした。

一方でその10年は、心のどこかで小さな違和感を抱え続けた時間でもあります。

それがはっきりとした形になったのは、元気だった親の体調が急変し、
亡くなるまでの約2か月間でした。

親の見取りで実感した、介護保険の力

元気だった親が入院し、そこから亡くなるまで、約2か月弱でした。

病状が進む中で、入院していた親が繰り返し口にしていたのは
家に帰りたい」という言葉でした。

正直なところ、家族としては「家で看取るなんて無理だ」そう思っていました。

介護の知識はあっても、いざ自分の家族となると、現実的に考えられなかったのです。

医師が開いてくれたカンファレンス

そんな中、担当の先生がカンファレンスを開いてくれました。

「もう時間がない」
その現実を共有した上で、“家に帰る”という選択肢を本気で考えてくれたのです。

カンファレンス直後から退院に向けて動き出し、翌日には自宅に帰ることになりました。

一斉に動いてくれた支援者たち

病院の先生、ソーシャルワーカーさんや居宅ケアマネさんが中心となって、
在宅の先生や関係事業所への調整を進めてくださいました。

・往診医の調整
・介護ベッドの調整
・訪問看護の導入
・民間の医療移送車の手配 など

「家に帰りたい」という本人の思いを叶えるために、多くの人がつないでくれた時間でした。

自宅で過ごせた、わずか30時間

自宅で過ごせた時間は、わずか30時間ほどでした。

それでも、家族の声が聞こえる場所で、見慣れた空間の中で、親は旅立っていきました。

あの時間があったから、今も「よかった」と思えます。

「これこそが介護保険だ」と思えた瞬間

その時、心から思いました。

これが、介護保険なんだ。

本人の望む生活を、最後まで支えるための仕組み。

そして、一人では絶対にできないことを、チームで支える力。

居宅ケアマネとして働いてきた私ですが、
この経験で、介護保険を家族の立場として深く理解した気がします。

「もし自分に何かあったら」という不安

居宅ケアマネとして働く中で、常に頭の片隅にあったのがこの不安です。

・自分が急に休んだら
・体調を崩したら
・家族に何かあったら

その時、担当している利用者さんはどうなるのか。

親の急逝を経験したことで、この不安はより現実的なものになっていきました。

それでも、この仕事を続けたいと思えた理由

親の見取りを経験して、居宅ケアマネという働き方に不安を感じるようになりました。

そして自分自身の体調が悪くなり、治療が必要になったため、落ち着いたタイミングで居宅ケアマネを退職しました。

親を看取る中で力を貸してくださった関係者の方々に感謝する気持ちが大きくなる中、
自分は居宅ケアマネとして働けるのだろうか?と日々考えるようにもなりました。

でも、治療が終了し体調が回復していく中、こんな思いも強くなりました。

本人や家族が望む生活を、少しでも支えられる側でいたい。

介護業界の中で、その手助けを続けていきたい。

この経験は、私がこの仕事を続けていく理由を改めて確認させてくれました。


居宅ケアマネとしての10年は、私にとって間違いなく財産です。

ただ、
「もっと近くで関わりたい」
「もしもの時、利用者さんが困らない環境で働きたい」

そんな思いが、少しずつ大きくなっていきました。

次の記事では、その思いから選んだ老健ケアマネという働き方と、
そこで直面した現実について書いていきます。

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