居宅ケアマネから施設ケアマネへ。
利用者さんともう少し近い距離で関われるのではないか、そんな期待を持って老健へ転職しました。
けれど実際に働いてみると、思い描いていたケアマネ像とは少し違う日々が始まりました。
それは「忙しさ」や「大変さ」ではなく、
自分の立ち位置が、どこか曖昧に感じられることへの違和感でした。
ケアマネ専従なのに、事務との兼務のような働き方
私がいた老健では、ケアマネは専従配置でした。
ただ、事務所所属という立場や席の配置、業務の流れの中で、窓口対応や電話対応を担う場面が多くありました。
事務員さんはいましたが、「今対応できる人が対応する」
そんな空気の中で、自然と私が前に立つ形になっていたのだと思います。
業務として間違っているとは思いません。
ただ、ケアマネとしての役割に集中できているのかと考えると、少し立ち止まってしまう感覚がありました。
利用者さんとの関わりが、思っていたより少なかった
担当フロアには毎日上がり、利用者さんと会話をしたり様子を見たりしていました。
それでも、日常的な関わりはどうしても限られていました。
利用者さんの小さな変化や、その日の様子について、
現場職員さんから積極的に情報が入ってくることは少なく、
「必要な情報を自分から取りに行く」ことが多かったように思います。
これは職場の構造だけでなく、私自身の性格や立ち回りの問題もあったと思います。
それでも、利用者さんとの距離を縮めにくい環境だと感じていました。
現場との距離と、職種の壁
現場職員さんとケアマネ。
それぞれが役割を持ち、忙しく働いている中で、
どこか見えない「職種の壁」のようなものを感じる場面がありました。
利用者さんの状態変化があっても共有されにくかったり、
ケアプランが現場の感覚と噛み合っていないように感じたり。
「同じ利用者さんを支えているはずなのに、同じ景色を見られていない」
そんなもどかしさがありました。
お飾りのような存在に感じてしまった自分
相談員さんが中心となって業務を進めていく体制だったこともあり、
自分の役割が限定的に感じられるようになっていきました。
ケアマネとして判断し、考え、支えるというより、
「流れの中にいる存在」
「形だけ関わっている存在」
そんなふうに自分を捉えてしまい、少しずつ自己肯定感が下がっていくのを感じていました。
ここを離れようと思った理由
この働き方が、すべての老健に当てはまるとは思っていません。
相談員とケアマネが連携し、利用者さんに深く関われている施設もあると聞いています。
けれど少なくとも、私がいた場所では、
・利用者さんとの距離が縮まりにくい
・現場との情報共有に苦労する
・ケアマネとしての実感を持ちにくい
そんな状態が続いていました。
これを改善するためにも「介護職員とケアマネの兼務にしてほしい」と、上司に相談しました。
でもその職場ではケアマネはあくまでも事務所所属であり、介護職との兼務は考えていない、
とのことでした。
「ここで働き続けることで、私は何か役に立つことができるのだろうか」
そう考えたとき、もっと小さな単位で、もっと生活に近い場所で、
利用者さんと向き合える環境で働いてみたいと思うようになりました。
そこで次に選んだのが、グループホームでした。
老健での仕事は、決して「間違い」だったとは思っていません。
制度の中で働くこと、組織で動くこと、
そしてケアマネという役割を俯瞰して見る経験ができた時間でした。
ただ、「自分はどこで、誰のために、何をしているのか」
その手応えを感じにくくなっていったのも事実です。
その違和感を無視したまま働き続けることはできませんでした。


